Microsoft Exchange OnlineとZoho Mailは、どちらも独自ドメイン(会社のドメインを使ったメールアドレス)で法人メールを運用できるサービスです。ただし、管理の仕組み、メールを保持するための容量、料金の確認方法には違いがあります。比較を始める前に、メールボックス単体で比べるのか、共同作業ツールを含む契約で比べるのかをそろえておくと、判断しやすくなります。
Microsoftの管理基盤と一緒にメールを運用したいなら、Microsoft Exchange Onlineが候補になります。メール専用プランを軸にして、管理画面で組織・ドメイン・保持設定までまとめて扱いたいなら、Zoho Mailを検討しやすいでしょう。
Microsoft Exchange Online
こんな人に
Microsoftの組織ディレクトリや管理基盤と合わせ、メールボックスとアーカイブ容量をプラン別に選びたい
Zoho Mail
こんな人に
メール専用プランを中心に、ドメイン・利用者・グループ・保持設定を一つの管理画面で扱いたい
どちらも独自ドメインのメールに対応しますが、管理方法と容量の区分を細かく見ると違いがはっきりします。
| 比較項目 | Microsoft Exchange Online | Zoho Mail |
|---|---|---|
| 提供形態 | 単体のExchange Onlineプランあり。Microsoft 365の他機能は別に考える | Mail-onlyプランとZoho Workplace内のメール提供がある |
| 主な管理場所 | Microsoft 365 admin centerとExchange admin center | Zoho Mail Admin Console |
| 独自ドメインの設定 | ドメインを確認し、DNSレコードを設定 | ドメインを確認し、ZohoのMXレコードを設定 |
| 通常のメール容量 | Plan 1は1利用者あたり50 GB、Plan 2は100 GB | Mail Liteは1利用者あたり5 GBまたは10 GB、Mail Premiumは50 GB、Mail Professionalは100 GB |
| 通常容量とは別の領域 | Plan 1は50 GBのアーカイブ、Plan 2は最大1.5 TBのアーカイブ | Mail Premiumは50 GB、Mail Professionalは100 GBの保持用ストレージ |
| 移行 | 移行元に応じて複数のメールボックス移行方式を案内 | 管理画面にメール、連絡先、カレンダーの移行設定がある |
表を読むときの注意点が1つあります。通常のメール容量と、アーカイブまたは保持用の領域は別のものです。合計して一つの受信箱の容量として比べないようにしてください。
Microsoft Exchange Onlineは、Microsoft 365 admin centerでドメインの確認やDNS(ドメインの設定情報)の設定を進め、Exchange admin centerでメール環境を管理します。Entra IDの組織ディレクトリ(社員アカウントをまとめて管理する仕組み)や、役割別の権限管理と組み合わせる構成です。配布グループ、外部連絡先、会議室などに使うリソースメールボックス、代理アクセスも案内されていますが、プランごとの条件確認が必要です。
Microsoft 365の共同作業機能も同じ契約に統合したい組織には、有力な選択肢になります。一方、必要なのがメールだけなら、単体のExchange OnlineプランとMicrosoft 365のセット契約を分けて比べることが大切です。
Zoho Mailは、Admin Consoleから組織、ドメイン、利用者、グループ、メールのルール、経路、移行、セキュリティ、保持、バックアップ、契約を管理できます。管理の入口をメール運用に寄せたい場合に比較しやすい構成です。ドメインエイリアス、メールエイリアス、メールグループもプラン機能として示されています。エイリアスとは、一つの受信先に別のメールアドレスを追加する仕組みのことです。必要な数と利用条件は、契約するプランで確認します。
Zoho Workplaceにもメールが含まれますが、メール専用で考えるならMail-onlyプランと切り分けましょう。共同作業機能を使う予定がなければ、セットに含まれる機能まで優劣の材料にしないほうが、実際の運用に合う比較になります。
Microsoft Exchange OnlineのPlan 1は、通常のメールボックスが1利用者あたり50 GBで、別に50 GBのアーカイブが案内されています。Plan 2は通常のメールボックスが100 GB、アーカイブは最大1.5 TBです。日常的に使う受信箱と、過去メールを置くアーカイブを分けて考えたい組織なら、Plan 1とPlan 2の差を確認しやすいでしょう。
Zoho Mailは、Mail Liteが1利用者あたり5 GBまたは10 GBのメール容量です。Mail Premiumは50 GBのメール容量と50 GBの保持用ストレージ、Mail Professionalはそれぞれ100 GBです。ここでも保持用ストレージは、通常のメール容量とは別に扱います。
合計値を眺めるのではなく、「普段使う受信箱にどれだけ必要か」「過去メールを別領域にどれだけ残したいか」を分けて見積もるのがポイントです。たとえば、日々の受信量は多くなくても過去のやり取りを長く残したい場合は、通常容量よりも別領域の条件が選択を左右します。
Microsoft Exchange Online Plan 1には、迷惑メールとマルウェアへの対策が含まれます。ただし、より高度な脅威対策まで同じ範囲に含まれるとは限りません。Exchange Online Plan 1とPlan 2は、ブラウザ版Outlookのほか、Exchange ActiveSync、SMTP、POP、IMAPに対応します。SMTP、POP、IMAPは、外部のメールソフトなどで送受信するための接続方式です。なお、デスクトップ版Outlookのライセンスは、メールサービスの契約とは別に確認してください。
Zoho Mailでは、二要素認証、不審なログインの警告、パスワード方針、SAML設定などを管理画面で扱えます。受信メールは迷惑メール検査の対象となり、管理者は許可・拒否リストや隔離などを管理できます。利用できる設定はプラン条件を確認してください。有料アカウントは、IMAP、POP、SMTPで外部のメールソフトに接続できます。
どちらも「安全性」という一語でまとめて比べないほうが賢明です。必要な認証方法、管理者が設定できる範囲、外部メールソフトの利用条件に分けて確認すると、判断しやすくなります。
Microsoftは、移行元に応じてcutover、staged、hybrid remote move、IMAP migrationなど複数の方法を案内しています。名称をすべて覚える必要はありません。今のメール環境が何か、既存の構成を段階的に残す必要があるかによって、使う方式が変わると理解しておけば十分です。
Zoho Mailは、Admin Consoleに、他のメールサーバーからメール、連絡先、カレンダーを移すための設定を用意しています。実際に移せるデータと方式は、移行元ごとに確認します。
比較するときは、メールの件数だけでなく、連絡先やカレンダーも移したいかどうかを先に決めましょう。今のサービスと希望する移行範囲が分かれば、必要な手順を絞り込めます。
Microsoft Exchange OnlineのUS公式料金では、年契約の場合、Plan 1が1利用者あたり月額4 USD、Plan 2が1利用者あたり月額8 USDです。利用者数に加えて、必要な通常メール容量とアーカイブ容量からプランを選べます。
Zoho Mailの有料プランも、利用者単位で比較します。ただしMail-onlyプランとZoho Workplaceのセット契約は同じ料金枠として混ぜず、必要な提供範囲をそろえて確認してください。GLOBAL向けの材料では固定料金を示せないため、ここではMicrosoftのUS料金とZoho Mailの金額を直接比較しません。
注意
料金情報は2026年8月7日時点です。Microsoft Exchange OnlineはUS市場・USD・年契約時の月額、Zoho MailはGLOBAL市場の確認範囲です。契約地域、請求周期、税、必要なプランを公式の契約画面で確認してください。
Microsoft Exchange Onlineは、Microsoftの組織ディレクトリや管理基盤を使い、役割を分けてメールを管理したい場合に候補になります。通常メールボックスとアーカイブの容量差が明確なので、保持量からPlan 1とPlan 2を選びたい場合にも比較しやすいでしょう。
Zoho Mailは、メール運用を中心とした管理画面で、ドメイン、利用者、グループ、ルール、保持、移行などをまとめて扱いたい場合に候補になります。Mail-onlyプランとセット契約を分けて検討できるため、メールだけを導入したい場合に必要範囲を整理しやすくなります。
どちらを選ぶ場合も、ニュースレターの一斉配信やシステムから送る取引メールのためのサービスとは分けて考えてください。今回比較しているのは、従業員が独自ドメインのアドレスで日常的に送受信するためのメールホスティングです。
Q.独自ドメインのメールは両方で使える?
A.はい。どちらもドメインの所有確認とDNS設定を行って、独自ドメインのメールを有効にします。具体的なレコードと手順は、それぞれの管理画面で確認します。
Q.メール容量とアーカイブ・保持用ストレージは足して比べていい?
A.一つの通常メールボックスの容量としては足しません。日常的に使うメール領域と、アーカイブまたは保持用の別領域に分けて比較してください。
Q.デスクトップ版OutlookはExchange Onlineに含まれる?
A.Exchange Onlineのメールサービスと、デスクトップ版Outlookのライセンスは別条件です。必要な場合は、メールのプランとは分けて確認してください。
確認日: 2026-08-07(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
Microsoft Exchange Online
Zoho Mail