Fastmail Businessは、会社の独自ドメイン(自社のドメインを使ったメールアドレス)でのメールを中心に、カレンダーと連絡先も提供する法人向けのメールホスティングです。業務アプリを幅広くまとめたサービスまでは必要なく、仕事用メールの導入を中心に考えたい組織なら、有力な候補になります。
ただし、どのプランでも同じ容量や外部メールアプリ対応が得られるわけではありません。高度な統制、メールの長期保存、データの保管地域などに要件がある場合も、サービス名だけで判断せず、必要な条件をプランごとに確認することが大切です。
中心となるのは、自社のドメインを使ったメールアドレスの運用です。たとえば会社が保有するドメインで社員用のアドレスを作り、管理者がユーザーの追加や、各ユーザーの保存容量、プライバシー、セキュリティに関する設定を管理できます。
ここで区別しておきたいのが、メールボックスとエイリアスです。メールボックスは、ユーザーがメールを送受信し、保管するための受信箱。エイリアスは、同じ受信先で使える別名のアドレスです。Businessプランでは、アカウント全体で600件に加え、ユーザー1人あたり15件のエイリアスが上限として案内されています。共有アドレスも用意されているため、個人用とは別に問い合わせ窓口などの宛先を設けたい場合にも検討できます。
独自ドメインを利用するには、ドメイン側のDNS設定が必要です。DNSとは、ドメイン宛のメールをどこへ届けるかなどを指定する仕組みのことです。入力するレコードは、Fastmailのドメイン設定手順に沿って確認します。
Fastmail BusinessにはBasic、Standard、Professionalの3プランがあります。大きな違いの一つが保存容量です。
メールなどに使う容量とファイル用の容量は別枠なので、足し合わせて一つの容量として考えないようにしましょう。現在のメール保存量だけでなく、今後増える分も見込んで選ぶと、導入後の不足を避けやすくなります。
またStandardとProfessionalでは、Outlook、iPhone Mail、Thunderbirdなどの外部メールアプリから利用できます。接続にはIMAP、POP、SMTPと呼ばれる標準的な仕組みが使われます。普段使っているメールアプリを継続したいなら、必要な接続方法と対象プランを先に確認しておくと安心です。
送受信するメッセージには、全体で70MB未満という上限があります。添付ファイルは送信時の変換によって容量が増えるため、通常は50MB以下が目安です。大きな資料を頻繁にやり取りする運用では、この上限を実際のファイルサイズに当てはめて確認する必要があります。
法人メールでは、アカウントの乗っ取りや迷惑メールへの備えも重要です。Fastmail Businessでは、二要素認証、迷惑メールやフィッシングへの対策、複数のデータセンターを使ったバックアップが案内されています。
二要素認証は、パスワードに加えて別の確認手段を求める仕組みです。導入時には、機能があることだけでなく、社内で誰に利用させるか、紛失時の復旧をどう扱うかも決めておくと運用しやすくなります。なお、一般的な暗号化の説明を、送信者と受信者だけが内容を読めるエンドツーエンド暗号化と同じ意味には捉えないほうがよいでしょう。
主要なデータの保管地域は、EUまたは米国から選べると案内されています。ただしこれは、すべての複製やバックアップが同じ地域だけに置かれることを意味しません。データの所在に契約上または社内規程上の条件がある組織は、対象範囲を個別に確認する必要があります。
移行ツールは、通常のログインができる移行元から、IMAPでメール、CardDAVで連絡先、CalDAVでカレンダーの予定をコピーできます。いずれも、各データをサービス間で受け渡すための標準的な方式です。
ただし、移行元によってコピーできる対象は異なります。たとえばOutlook.comからは、メールのみと案内されています。メールだけでなく連絡先や予定も移したい場合は、今のサービスが対応する方式と移行対象を事前に照らし合わせましょう。まず代表的なアカウントで移行対象と結果を確認し、そのあと全体へ広げる進め方も考えられます。
Businessでは、Basic、Standard、Professionalをユーザーごとに組み合わせられます。全員を同じプランにそろえる必要はないので、たとえば保存量が少ないユーザーと、大容量が必要なユーザーを分けて構成できます。
契約期間は12か月、24か月、36か月から選ぶ形です。表示額は税別で、確認時点では固定の公開金額として扱えないため、この記事では金額表を載せていません。プランを比べるときは、人数だけでなく、ユーザーごとの必要容量と外部メールアプリの利用有無を整理すると、必要な構成を見積もりやすくなります。
注意
料金は米国向けの公式ページを2026年8月7日に確認した情報を基準にしています。契約前に、対象市場、税、請求条件を含む最新の表示を確認してください。
サポートは24時間365日と案内されています。ただし、これは問い合わせへの応答時間が保証されるサービス水準合意と同じ意味ではありません。復旧時間や応答時間が契約上重要なら、保証される条件が別に示されているかを確認しましょう。
Fastmail Businessは、独自ドメインのメールを中心に、カレンダーと連絡先もまとめて使いたい組織に向いています。とくに、全社員へ同じ容量を割り当てるのではなく、役割に応じてプランを組み合わせたい場合は検討しやすい構成です。
一方、広告メールやニュースレターを大量に送るためのサービスではありません。プランごとに送受信数やデータ量の上限があり、一斉配信用途とは分けて考える必要があります。また、高度な管理統制、アーカイブ、特定地域への厳密なデータ保管が必要なら、必要条件を満たすプランや契約内容を個別に確認してください。
Q.全員が同じプランを契約する必要がある?
A.いいえ。Basic、Standard、Professionalをユーザーごとに組み合わせられます。必要容量や外部メールアプリの利用有無に合わせて構成できます。
Q.Outlookなどのメールアプリでも使える?
A.StandardとProfessionalでは、Outlook、iPhone Mail、Thunderbirdなどの外部メールアプリで利用できます。必要な接続方法が対象プランで使えるかも合わせて確認してください。
Q.大量配信メールにも使える?
A.大量の一斉配信を目的としたサービスではありません。プラン別に送受信数やデータ量の上限があるため、通常の法人メール運用と配信用途は分けて考える必要があります。
確認日: 2026-08-07(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
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